美しい外観を保ち、家の寿命を長く保つためには、外壁の適切なメンテナンスが不可欠です。
特にサイディングは、種類によって特徴や適切なメンテナンス方法が大きく異なります。
適切な時期に適切なメンテナンスを行うことで、高額な修理費用を回避し、安心して暮らせる住まいを守りましょう。
サイディング外壁のメンテナンスに迷っている方のために、素材別の特徴と具体的なメンテナンス方法をご紹介します。
サイディング外壁の素材別の特徴
窯業系サイディングの特徴とメンテナンス
窯業系サイディングは、セメントと繊維質を混ぜて作られた、最も一般的なサイディングです。
デザイン性が高く、様々な色や柄が選べます。
しかし、セメントを使用しているため、吸水性があり、紫外線や雨風による劣化を受けやすいという弱点も持っています。
そのため、7~10年を目安に、塗装の塗り替えやシーリングの補修が必要です。
ひび割れやチョーキング現象(白い粉が吹き出す現象)が見られたら、早めのメンテナンスが重要です。
定期的な高圧洗浄による清掃も効果的ですが、洗浄の際は、高圧洗浄機ではなく、優しく汚れを落とせる方法を選びましょう。
金属系サイディングの特徴とメンテナンス
金属系サイディングは、アルミニウムやガルバリウム鋼板などの金属を素材としています。
窯業系サイディングに比べて吸水性が低く、耐久性が高いのが特徴です。
サビに強いガルバリウム鋼板を使用している場合でも、傷がつくとサビが発生する可能性があります。
また、経年劣化によって色あせも起こります。
メンテナンスの目安は10~15年で、塗装の塗り替えやサビ止め処理が必要となる場合があります。
特に、海沿いや潮風の強い地域では、塩害による劣化が早まるため、こまめな点検とメンテナンスが大切です。
樹脂系サイディングの特徴とメンテナンス
樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂を主原料としたサイディングです。
耐久性が高く、雨や塩害に強く、色あせもしにくいのが特徴です。
そのため、メンテナンス頻度は他のサイディングに比べて低く、ほとんどメンテナンスが不要な場合もあります。
しかし、長期間紫外線にさらされると劣化が進む可能性があります。
その際は、紫外線対策のための塗装を検討しましょう。
サイディング外壁の適切なメンテナンス方法
メンテナンス時期の目安
サイディングのメンテナンス時期は、素材の種類や使用されている塗料によって異なります。
窯業系サイディングは7~10年、金属系サイディングは10~15年、樹脂系サイディングは20年程度を目安に、点検を行いましょう。
ただし、これはあくまで目安であり、ひび割れやコーキングの劣化、色あせなど、劣化症状が見られた場合は、時期に関わらず早めのメンテナンスが必要です。
劣化症状の見分け方
サイディングの劣化症状には、塗料の剥がれや色あせ、シーリングのひび割れ、チョーキング、カビや藻の発生などがあります。
これらの症状は、見た目で判断できるものもありますが、専門家の目が必要な場合もあります。
定期的な点検を行い、早期発見・早期対処を心がけましょう。
小さなひび割れなどは、放置すると雨漏りの原因となるため、注意が必要です。
具体的なメンテナンス手順
メンテナンス方法は、劣化の状況によって異なります。
軽い汚れであれば高圧洗浄機を使わず、水で洗い流すだけでも効果があります。
色あせやチョーキングが見られる場合は、塗装の塗り替えが必要です。
シーリングの劣化やひび割れが見られる場合は、シーリングの補修または打ち替えが必要です。
外壁材自体が劣化している場合は、張り替えが必要となることもあります。
これらのメンテナンスは、専門業者に依頼することをおすすめします。
まとめ
サイディング外壁のメンテナンスは、素材の種類によって適切な方法や時期が異なります。
窯業系、金属系、樹脂系それぞれの特徴を理解し、7~20年を目安に定期点検を行いましょう。
劣化症状が見られたら、早急に専門業者に相談し、適切な処置を行うことが大切です。
適切なメンテナンスを行うことで、住宅の寿命を延ばし、安心して暮らせる住まいを維持できます。
早めのメンテナンスは、費用を抑えることにもつながります。