モルタル壁は、独特の風合いと耐久性から、長年愛されてきた外壁材です。
しかし、その仕上げの種類は多岐に渡り、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
建物の外観や耐久性に大きく影響するモルタル壁の仕上げ選びは、戸建て住宅の建築・リフォームにおいて重要な決定事項といえるでしょう。
今回は、モルタル壁の仕上げの種類を具体的に解説し、費用感なども含めて、最適な選択を支援する情報を提供します。

モルタル壁仕上げの種類を徹底解説
リシン仕上げの特徴
リシン仕上げは、セメントや樹脂に砂利などを混ぜて吹き付ける工法です。
比較的安価で施工が容易なため、過去には多く使用されてきました。
ザラザラとした独特のテクスチャーが特徴で、落ち着いた雰囲気を演出できます。
しかし、凹凸が多いことから汚れやすく、ひび割れも発生しやすいというデメリットも存在します。
費用は、平方メートルあたり1,400円〜2,000円程度と比較的安価です。
スタッコ仕上げの特徴
スタッコ仕上げは、リシン仕上げよりも厚く、セメントと骨材を混ぜた材料を吹き付ける工法です。
リシン仕上げに比べ、より重厚感があり高級感のある仕上がりになります。
厚みがあるため、ひび割れに強いというメリットがありますが、やはり凹凸があるため汚れやすい点は共通しています。
費用は、平方メートルあたり2,000円〜2,500円程度です。
吹き付けタイル仕上げの特徴
吹き付けタイル仕上げは、タイルガンを用いて、樹脂などの結合材とけい石、寒水石、骨材などを混ぜ合わせた材料を吹き付ける工法です。
比較的柔らかく、ひび割れにくいのが特徴です。
中粒仕上げと押さえ仕上げなど、仕上げ方によって表情も変化します。
費用は、平方メートルあたり2,500円~3,500円程度と、他の仕上げ方法に比べ高価です。
左官仕上げの特徴
左官仕上げは、熟練の職人がコテを用いて仕上げる、最もデザイン性の高い工法です。
自由度の高いデザインを実現できる反面、職人の技術に左右されるため、仕上がりにばらつきが出やすいというデメリットがあります。
費用は、使用する材料や模様によって大きく変動しますが、平方メートルあたり2,400円~4,500円程度と高価です。
その他の仕上げ方法
リシンかき落とし仕上げなど、上記以外にも様々な仕上げ方法が存在します。
リシンかき落とし仕上げは、リシンを吹き付けた後に表面を掻き落とすことで、より重厚感のある表情を作り出します。
モルタル壁仕上げの種類別メリットデメリットと費用感
リシン仕上げのメリットデメリットと費用
・メリット:安価、施工が容易、落ち着いた雰囲気
・デメリット:汚れやすい、ひび割れしやすい
・費用:平方メートルあたり1,400円~2,000円程度
スタッコ仕上げのメリットデメリットと費用
・メリット:高級感、重厚感、ひび割れに強い
・デメリット:汚れやすい
・費用:平方メートルあたり2,000円~2,500円程度
吹き付けタイル仕上げのメリットデメリットと費用
・メリット:ひび割れにくい、耐久性が高い
・デメリット:施工時の飛散、騒音
・費用:平方メートルあたり2,500円~3,500円程度
左官仕上げのメリットデメリットと費用
・メリット:デザイン性の高さ、自由度の高さ
・デメリット:費用が高い、仕上がりにばらつきが出やすい
・費用:平方メートルあたり2,400円~4,500円程度
仕上げ方法選択のポイント
仕上げ方法を選ぶ際には、予算、デザインの好み、メンテナンスのしやすさなどを考慮することが重要です。
それぞれの仕上げ方法のメリット・デメリットを比較検討し、ご自身の家の状況やライフスタイルに最適なものを選びましょう。
まとめ
本記事では、モルタル壁の仕上げの種類として、リシン、スタッコ、吹き付けタイル、左官仕上げなどを解説しました。
ひび割れや汚れへの対策、長寿命化のためのメンテナンスについても意識することで、より快適で美しい住まいを実現できるでしょう。