長持ちするモルタル外壁、それは塗り替えの技術にかかっています。
築年数が経つにつれ、外壁は様々な劣化現象に見舞われます。
ひび割れ、色あせ、コケの発生。
これらの症状は、単なる見た目の問題ではありません。
建物の寿命を縮め、思わぬ出費を招く可能性も秘めているのです。
しかし、適切な知識と技術があれば、長寿命な外壁を実現できます。
今回は、モルタル外壁の劣化メカニズムから、塗り替えにおける適切な処置、そして塗料選びのポイントまでを解説します。
モルタル外壁の劣化メカニズム
リシン外壁の劣化要因
リシン外壁は、小さな石粒を吹き付けることで独特の風合いを生み出しますが、その凹凸が汚れや湿気を溜め込みやすく、ひび割れ(クラック)の原因となります。
特に、紫外線や雨風による劣化は避けられません。
経年劣化によって、石粒が剥がれ落ちたり、塗膜が粉状になるチョーキング現象も発生します。
また、日陰部分ではコケやカビが発生しやすいため、定期的な洗浄も必要です。
スタッコ外壁の劣化要因
スタッコ外壁はリシン外壁に比べて高級感のある仕上がりになりますが、これもまた凹凸が大きいため、汚れが付きやすく、清掃が困難です。
ひび割れもリシン外壁と同様に発生しやすく、特に、下地処理が不十分な場合、クラックの発生リスクが高まります。
また、スタッコ自体の劣化や剥離も、塗り替え時期の判断材料となります。
劣化の進行と塗り替え時期
モルタル外壁の一般的な寿命は30年程度と言われますが、塗料の寿命は10年程度です。
そのため、塗料の劣化症状が現れたら塗り替えを検討する必要があります。
チョーキング、ひび割れ、塗膜の剥がれなどが代表的な症状です。
ひび割れの幅が1mmを超えるような場合は、構造的な問題も考えられるため、早急に専門業者に相談しましょう。
小さなひび割れは塗装で対応できますが、大きなひび割れはモルタルの補修が必要となり、費用も高額になります。
長持ちするモルタル塗り替えのための適切な下地処理と塗料選び
下地処理の重要性と方法
下地処理は、塗り替えの耐久性を大きく左右する重要な工程です。
まず、高圧洗浄で汚れや古い塗膜を完全に除去します。
その後、ひび割れなどの補修を行います。
小さなクラックはパテで埋めますが、大きなクラックはモルタルで補修する必要があります。
下地処理を適切に行うことで、塗料の密着性を高め、塗り替えの効果を最大限に発揮できます。
塗料の種類と耐久性への影響
モルタル塗り替えには、ウレタン、シリコン、フッ素などの塗料が用いられます。
ウレタンは価格が安いですが耐久性が低く、フッ素は高価ですが耐久性が高いです。
シリコンはコストパフォーマンスに優れ、多くの場合に最適な選択肢となります。
また、ひび割れに強い弾性塗料も有効です。
塗料の種類によって耐久年数が大きく異なるため、予算と耐久性のバランスを考えて適切な塗料を選びましょう。
塗り替えにおける塗料の選び方
塗料を選ぶ際には、耐久性だけでなく、防カビ・防藻性、防汚性なども考慮しましょう。
特に、リシンやスタッコのような凹凸のある外壁では、汚れが付きやすいので、防汚性が高い塗料を選ぶことが重要です。
また、使用する塗料の特性を理解し、下地処理との相性も考慮する必要があります。
専門業者に相談し、最適な塗料を選定することをお勧めします。
まとめ
モルタル外壁の塗り替えは、単なる美観の維持だけでなく、建物の寿命を左右する重要なメンテナンスです。
適切な時期に、適切な下地処理と塗料選びを行うことで、長持ちする外壁を実現できます。
この記事で紹介した劣化メカニズム、下地処理、塗料選びのポイントを参考に、ご自身の家の状況に最適な塗り替え計画を立ててください。