外壁の塗り替えは、家の美しさを保ち、建物を長く守るために欠かせない大切なメンテナンスです。
なかでも「漆喰(しっくい)」を使用した外壁塗り替えは、自然素材ならではの柔らかな質感と、優れた調湿・防カビ性能が魅力です。
ただし、漆喰の良さを最大限に引き出すためには、正しい手順での施工が重要です。
ここでは、漆喰外壁の塗り替え手順と、美しさを長持ちさせるためのポイントについて詳しく解説します。
漆喰を使った外壁塗り替えの手順
必要な材料と道具を選ぶ
漆喰の塗り替えでは、まず使用する漆喰の種類を適切に選ぶことが重要です。
純度の高い「本漆喰」は自然な白さと質感が特徴で、伝統的な仕上がりを再現できます。
一方で、扱いやすさを重視した「配合漆喰」もあり、建物の状態や希望する風合いに合わせて使い分けます。
施工には、漆喰専用のこてやミキサーなどを使用し、職人の技術によって均一で美しい塗り面を実現します。
外壁の下地処理を行う
下地処理は、漆喰の仕上がりと耐久性を左右する最も重要な工程のひとつです。
古い塗膜や汚れを丁寧に落とし、ひび割れや欠損がある場合は補修を行います。
そのうえで、プライマーを塗布して漆喰との密着を高めることで、剥がれやムラを防ぎます。
漆喰を塗る基本的な技法
漆喰は、一度に厚く塗るのではなく、薄く何度も塗り重ねるのが基本です。
こてを使って押さえるように塗ることで、空気を抜きながら密着性を高め、ひび割れを防止します。
職人の手で丁寧に仕上げることで、漆喰特有の滑らかで温かみのある質感が生まれます。
乾燥と仕上げの注意点
漆喰の乾燥は、時間をかけて自然乾燥させることが理想です。
急激に乾燥させるとひび割れの原因になるため、湿度や風通しを調整しながら、1週間〜10日ほどかけてゆっくりと乾かします。
仕上げには、防水性と耐久性を高めるためにトップコートを施すことで、漆喰の美しさをより長く保つことができます。

漆喰外壁を長持ちさせるためのポイント
定期的な点検を行う
塗り替え後も、定期的に外壁の状態をチェックすることが大切です。
小さなひび割れや汚れを早めに発見して補修を行うことで、外壁全体の劣化を防ぎ、漆喰の美しさを長期間維持できます。
環境に合わせたメンテナンス
日当たりや風通しなど、建物の立地条件によって漆喰の劣化スピードは異なります。
特に湿気の多い地域では、カビや苔の発生を防ぐため、定期的な清掃と換気の工夫が効果的です。
こうした日常的なケアを積み重ねることで、漆喰の持つ自然な美しさが長く保たれます。
まとめ
漆喰外壁の塗り替えは、外観を美しく保つだけでなく、建物を守るうえでも非常に有効です。
丁寧な下地処理、正確な塗り方、そして自然乾燥による仕上げが、美しく長持ちする外壁をつくる鍵となります。
職人の手で仕上げられた漆喰の外壁は、年月を重ねるごとに風合いを増し、住まいに自然のぬくもりを与えてくれます。


